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いまさら聞けない不動産投資の基本(9/18)

物件価格はどのようにして決まるのか

浅井佐知子浅井佐知子

2016/02/23

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投資用マンションの価格決定までのプロセス

 投資用マンションの価格を決定するプロセスを見てみましょう。まず、不動産を売りたい人(売り主)が、所有しているマンションがどれくらいの価格で売却されるのかを不動産会社に問い合わせをするところからスタートします。

 依頼を受けた不動産会社の担当者は、以下の手順で査定をします。

(1)同じマンション内の違う部屋がどれくらいの価格で取引されているかを調べる
 このとき、国道交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営している「レインズ」というシステムを使用しますが、このシステムにアクセスできるのはこの機構の会員不動産会社のみです。

(2)該当のマンションがどれくらいの賃料で貸せるのかを調べる
 投資用不動産の場合、利回りが高くないと買い手がつかないので、しっかり調査します。

(3)マンションの立地・駅徒歩・築年数などを調べる
 住居用のマンションと同様、マンションの周囲の環境、駅からどれくらい近いのか、新しいのか古いのかは投資用マンションでも大きな判断材料となります。

 このような手順を経て、担当者は売り主にマンション価格の査定額を提出します。そして、その査定額を売り主が吟味するという流れです。そして「安すぎる」と感じた場合は売却を依頼しないこともありますし、複数の業者に査定を依頼していちばん高い査定額を出した会社に依頼するということもあります。最終的には、売り主の判断によるところが大きいのが不動産の価格の決定なのです。

 とはいえ、この価格で売れるかどうかはまた別問題です。相場より高すぎると売れないままですから、結局は値段を下げることになってしまいます。そういう意味では、売り主のつけた価格に最終判断を下すのは、市場(マーケット)ということになります。

投資用不動産の見つけ方

 次は買い主側の話です。売り主側は以上のように不動産の価格を決定していますが、売りに出された物件の情報は、どのようなルートで買い主まで届くのでしょうか。

 物件を見つけるには、ふたつの方法があります。ひとつはほかの項目(URL)で紹介した投資用不動産ポータルサイトで探す方法で、もうひとつは、不動産会社を回って見つける方法です。

 先ほどは中古物件の査定の話をしましたが、ここではまず新築物件についてお話ししましょう。新築マンション・建売住宅は建築したデベロッパーや、デベロッパーから依頼を受けた不動産会社が販売しています。その情報は、ネットや新聞の折り込みチラシ、テレビCMなどから得ることになります。そして、気になる物件を掲載している不動産会社に問い合わせをし、購入が決定した場合には売り主の会社で契約を交わします。この場合、直接購入という形になるので仲介手数料はかかりません。

 また、中古物件については売り主と買い主をつなぐ仲介業者が購入の手続きを進めます。この場合も情報収集はネットや新聞の折り込みチラシ、テレビCMなどですが、新築物件との大きな違いは仲介手数料がかかることです。

 新築物件においてもさまざまな諸費用がかかるので、ある程度の資金の余裕があるときの購入をおすすめします。オーバーローンで融資が通ることもありますが、後々のことを考慮するとかなりリスクが高い方法になってしまいます。不動産投資を成功させるためにも、状況に見合った価格帯の不動産投資からスタートするのがよいでしょう。

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この記事を書いた人

不動産鑑定士

浅井佐知子不動産鑑定事務所代表。 北海道網走郡美幌町出身。上智短期大学英語科卒業後、紅弥不動産株式会社、三井ホームエステート株式会社で10年間主に法人営業(土地の有効活用)を担当。 「あっ、私この会社に就職したい! 」という突然のひらめきで就職したときからはじまった不動産人生。個人の賃貸営業を皮切りに、土地の有効活用、寮・社宅営業、法人の一棟ビル売買営業と移っていく中で、常にお客様のことを考え圧倒的な支持を得、伝説の営業成績を残す。 その後結婚、出産、子育てをしながら勉強をして不動産鑑定士の資格を取得、計20年以上の不動産業の経験を積む。 「不動産鑑定士の資格を持った不動産投資コンサルタント」としての実績も豊富で、不動産投資家からの信頼も厚く、きめ細やかなサービスで支持、信頼を得ている。 国土交通省の地価公示評価員、国税庁の相続税路線価、固定資産税評価員などの公的な仕事のほかに、税理士、弁護士などからの依頼で、12年間で1000件以上の鑑定評価書を書き、税務署や裁判などから顧客を守り続けてきた。 またアパートの賃貸から土地の有効利用、店舗、事務所の賃貸、不動産売買、不動産鑑定、不動産コンサルとあわせて計5000件以上の案件をこなしてきた。 ミッションは、「良質な不動産情報とサービスで人を幸せにする」。

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