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いまさら聞けない不動産投資の基本(2/18)

不動産投資のリスクについて知っておこう

浅井佐知子浅井佐知子

2016/02/23

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投資のリスクとリターンの関係

 元本が減ることがない(リスクがない)かわりに見返りもほとんどない(リターンがない)という投資があります。これは「ローリスク・ローリタン」の投資と呼ばれ、預貯金・定期貯金・国債などがこれに当たります。

 かつては銀行預金で8パーセントの金利がつくという時代もありましたが、ここ数十年はほとんど金利がつかない時代が続いています。今後も金利があがることはないでしょうし、2016年初めには日本銀行はマイナス金利政策を打ち出しました。

 たとえば、銀行に100万円の定期預金をするときに1年間の金利が0.2パーセントだとすれば、100万円×0.2パーセント=2000円しか増えないのです。

 この逆、投資したお金が返ってこない可能性がある(リスクが高い)ものの、成功した場合には大きな利益になる(リターンが高い)のが「ハイリスク・ハイリターン」の投資で、株やFX、先物取引などがあたります。

 このなかでもっともハイリスク・ハイリターンな投資がFXで、レバレッジという特殊な方法を使って元本を担保にその何倍もの金額を投資することができる商品です。

 極端な話、最高レバレッジで25倍ですから、100万円あれば2500万円の投資が可能なわけです。うまくいけば大きなリターンが期待できますが、失敗すると元本は一瞬のうちになくなってしまいます。これがハイリスク・ハイリターンの怖いところでもあります。

不動産投資の3つのリスク

 それでは不動産投資はどのような投資なのでしょうか?「ローリスク・ローリタン」と「ハイリスク・ハイリターン」の中間、「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資が不動産投資の位置づけです。つまり、リスクはそれほど高くないのですが、元本の保証はありません。投資した資金が一瞬でなくなることはありませんし、うまくいった場合にはある程度の利益が見込める商品といえます。

 不動産投資におけるリスクとは、「物件の滅失・棄損」「物件選びに起因する空室・賃料の低下」「賃借人選びに起因する賃料の未払い」の3つです。逆にいうと、これらのリスクさえ抑えることができれば大きな損失を回避することができます。

 不動産投資は目に見えるもの(建物)への投資なので、価値や賃料の上下はありますが、価値が突然ゼロになってしまうとは考えづらい商品ですし、株やFXのように「読みが外れた」ことで大きな損失につながるようなものでもありません。

不動産投資で利益が出る仕組み

 たとえば、不動産の購入価格を500万円として毎月5万円の家賃収入があるとしましょう。経費などを差し引くとどれくらいの利益になるのでしょうか?

 この物件の場合、1年間の家賃収入は60万円です。ここから修繕積立金や管理費、固定資産税や都市計画税などを差し引くのですが、経費は収入の約25~35パーセントといわれていますので、ここでは30パーセントで計算します。

 そうすると、年間の収入60万円から経費60万円×30パーセント=18万円を差し引いて、42万円となります。これを12で割ると、月間利益は3万5000円となります。

 500万円の投資で、年間42万円の純利益となることがわかりました。銀行の定期預金(金利0.2パーセントで計算)では1年間で1万円ほどにしかなりませんから、格段に利益を上げやすい投資といえます。

 このように、不動産投資はほかの投資と比べ、リスクとリターンのバランスが取れているといえます。一晩で価値が上がることも、数年経ってから利益が確定するというものでもありませんが、一瞬ですべてを失うことも、資産を無駄に長時間寝かせておくこともない投資なのです。

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この記事を書いた人

不動産鑑定士

浅井佐知子不動産鑑定事務所代表。 北海道網走郡美幌町出身。上智短期大学英語科卒業後、紅弥不動産株式会社、三井ホームエステート株式会社で10年間主に法人営業(土地の有効活用)を担当。 「あっ、私この会社に就職したい! 」という突然のひらめきで就職したときからはじまった不動産人生。個人の賃貸営業を皮切りに、土地の有効活用、寮・社宅営業、法人の一棟ビル売買営業と移っていく中で、常にお客様のことを考え圧倒的な支持を得、伝説の営業成績を残す。 その後結婚、出産、子育てをしながら勉強をして不動産鑑定士の資格を取得、計20年以上の不動産業の経験を積む。 「不動産鑑定士の資格を持った不動産投資コンサルタント」としての実績も豊富で、不動産投資家からの信頼も厚く、きめ細やかなサービスで支持、信頼を得ている。 国土交通省の地価公示評価員、国税庁の相続税路線価、固定資産税評価員などの公的な仕事のほかに、税理士、弁護士などからの依頼で、12年間で1000件以上の鑑定評価書を書き、税務署や裁判などから顧客を守り続けてきた。 またアパートの賃貸から土地の有効利用、店舗、事務所の賃貸、不動産売買、不動産鑑定、不動産コンサルとあわせて計5000件以上の案件をこなしてきた。 ミッションは、「良質な不動産情報とサービスで人を幸せにする」。

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