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オーナーにできる対策とは

仲介・管理会社の「レスポンス」が悪いと入居希望者が逃げていく?

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2019/12/11

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画像/123RF

賃貸物件選びで不動産会社に接した際、「接客面で満足だったことは何ですか?」と、ユーザーに尋ねたところ、「問合せに対するレスポンス(回答・対応)が早かったこと」が、第1位に。


そんな結果を示すレポート、「不動産情報サイト利用者意識アンケート(2019年度)」を不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が公表しています。


■ところで、RSCとは?

RSCは、不動産ポータルサイトの運営会社同士が互いに手を結んだ連絡組織です。その主な目的は、不動産広告の適正化です。一般消費者に迷惑をおよぼすような、不当な内容の不動産広告がインターネットを通して発信されないよう、自主ルールの制定や、不動産事業者に関する情報の交換などを行っています。


2大サイトといわれる「SUUMO」「LIFULL HOME’S」の運営会社はじめ、9社が現在(2019年秋)これに加盟しています。なお、今回の調査は17回目となるもので、


有効回答数:1,560人
対象:過去1年のうちにインターネットで自身が住む住まいを賃貸または購入するために不動産物件情報を調べた(調べている)方


と、なっています。上記、「接客面で満足だったこと」はこの結果の一部ですが、こちらは有効回答された方のうち、賃貸物件を契約された155名の答えです。


さきほどの1位を含めて、抜粋してみましょう。「不動産会社の接客で満足だったことは?」


1位 問合せに対するレスポンスが早かった …64.5%
2位 物件の提案や追加の連絡などをしてくれた …50.3%
3位 内見をさせてくれた …49.0%
4位 言葉遣いや対応が丁寧だった …40.0%
5位 物件まで同行してくれた …38.7%
6位 こちらの都合を配慮してくれた …37.4%
7位 物件や不動産に詳しかった …27.1%
8位 契約の意思決定をこちらのペースに合わせてくれた …21.9%
9位 問合せした物件よりいい物件を紹介してくれた …20.6%
10位 問合せへの回答が的を射ていた …16.1%


いかがでしょう。オーナーさんならば、え?と、誰もが疑問に感じられる項目がいくつかあるのではないでしょうか。


まず、「3位 内見をさせてくれた」です。それって当たり前では?と、皆さん思われるのでは。むしろ、ちゃんと物件を見てもらわなければ、われわれオーナーの方があとあと心配です。


同じく「5位 物件まで同行してくれた」です。これも当たり前。逆にそうしてもらわなければ困ります。部屋の施錠もそうですし、開けた窓をうっかり閉め忘れていないか、忘れ物はないかなど、チェックは誰がやるの?と、いったところです。


「6位 こちらの都合を配慮してくれた」も、当然のことといってよいでしょう。「仕事が終わったあとの夜に内見したい」などは、よくあるリクエストです。応えてあげられない仲介会社や管理会社ではちょっと困ります。


ですが、結果はそれでもご覧のとおりです。入居希望者さんの何割かは、このアンケートによると、以上を当然のこととは思っていないようなのです。この結果、とても面白いといえるかもしれません。なぜなら、想像してみてください。


・仕事が終わり、会社帰りの夜に
・不動産会社のスタッフが物件まで連れていってくれた


そして、そこには…


・オーナーさんが、寒い中暖房をつけ、部屋を暖めて待ってくれていた
・物件のことや周囲の環境のこと、つぶさに教えてくださった(上記7位、10位の項目にあてはまります)


そんなことが起こったとすれば、入居希望者さんの感動は多分ひとしおです。ちなみに、寒いときは暖房、暑いときは冷房を入れて、物件で待機。内見に来られる方をおもてなしされるオーナーさんは、数は少ないですが、実際におられます。


さて、そのうえで注目の1位です。


「問合せに対するレスポンスが早かった」です。


ご承知の方も多いと思いますが、これを仲介会社や管理会社に実現させるカギの何割かは、実は、オーナーさんが握っていらっしゃいます。そのカギとは、条件交渉への準備です。


「もうちょっと家賃が安ければうれしいんですが」
「礼金をまけてもらえませんか?」
「賃料発生は契約日ではなく入居日からに」…


こうしたリクエストに関して、仲介・管理会社のスタッフが「どうしますか」とオーナーへ問合せた際、答えの返ってくるスピードこそが、上記のレスポンスに大きく影響してきます。ノロノロだと、どうなるでしょうか?


回答を待たせている間に、入居者さんは別の物件に興味を持つか、あるいはほかの会社にアプローチしてしまうかもしれません。チャンスを取り逃すだけでなく、そうしたオーナーさんとの付き合いを仲介・管理会社は面倒に感じます。


とくに管理収入のない仲介会社の場合、ノロノロに巻き込まれるのは負担です。そんなオーナーさんの物件はなるべく紹介を後回しにするか、あるいは紹介しないといったケースも出てきます。


とはいえ、家賃の値引き、賃料発生日、そうすぐに判断できるものでもない…。そこで、対策としてよくあるのが、あらかじめオーナー側も譲歩の範囲を決めておくという方法です。


たとえば、礼金はリクエストがあればゼロにする、家賃の値引きを求められた場合はフリーレントを提案する、などの取り決めを仲介・管理会社と握り合い、いちいちオーナーに判断を仰がなくともよいかたちにしておくのです。


ただし、これを行う場合は、行き違いが生じないよう、内容はしっかりと書面に記した上で、約束を交わすのがおススメです。


(文/朝倉継道 画像/123RF)



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この記事を書いた人

編集部

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