ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

リノベーションで部屋数「増」はわずか5.8%!

部屋は「減らして広く」が変わらずトレンド

住まいの大学住まいの大学

2019/09/18

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu
画像/123RF

・フルリノベーションを行った住宅のうち、55.9%が部屋数を減らしていた
・部屋数を増やしていた家はわずか5.8%だった


そんな調査結果をSUVACO株式会社が公表しています。同社は、建築家やリノベーション・リフォーム会社と消費者を結ぶマッチングサイト「SUVACO(スバコ)」などを運営する会社です。


なお、今回の調査は、その「SUVACO」に登録されている事例のうち、「フルリノベーションを行っており、リノベーション前後の部屋数が明らかになっている658事例を抽出。部屋数の増減について調べた」と、いうもの。


・居住人数を問わず、部屋数を減らすリノベーションが多数派であることがこの調査で明らかになった
・かつての〇LDK志向から、住み手の意識が変化してきたことを物語っている


と、SUVACOさんでは結んでいます。では、部屋数を減らすリノベーションによって、具体的にはどんな住まいがそこに生まれているのでしょうか。もちろん、すぐに想像がつくとおっしゃる方も多いでしょう。ポイントは、リビングの大型化、さらに多機能化です。


SUVACOさんによれば、


「料理をする、食べる、くつろぐ、仕事・勉強をする、趣味を楽しむ、遊ぶ、寝る…こうした生活のさまざまな用途をリビングが兼ねることで、個室が担っていた機能をうまく取り込んでいる事例が数多く見られる」


とのこと。ここしばらくの間、分譲マンション等でも定番のかたちとなっている人気のプランです。


ちなみに、今回SUVACOさんのリリースに紹介されている事例の中には、83平米の4LDKを1LDKに変身させた、とても大胆なものもあります。


この事例の場合、かつては壁で区切られていたキッチンをリビングの中心部に移動させ、しかもオープンキッチン化させています。そのため、LD部分の眺めがとにかく広々としています。まさに、料理する、食べる、くつろぐ、遊ぶ、趣味や勉強も…と、何にでも余裕をもって使えそうな、広大・多機能なリビングです。写真はこちらでご覧になれます。


ただし、こういった大空間中心の住まいに関しては、ひとつ心配なことがあります。それは、寒さと、暑さです。部屋と部屋の仕切りを取り払い、広くするとなれば、誰もが真っ先に冷暖房のことを不安に感じるでしょう。


多くの賃貸住宅では、このことはより深刻です。たとえば、木造築古の2DK、3Kなどといった物件をお持ちのオーナーさんの場合、これをリノベーションし、広いリビングを中心としたお部屋に変えようとされる方も少なくないでしょう。


ところが、そうした物件は、大抵断熱性能が高くありません。せっかく生まれた広いリビングですが、冬は寒くて温まりにくく、夏は暑くて冷房が効いてくれない、過ごしにくい部屋になってしまうこともよくあります。


「見かけはキレイに改装されているけれど、やっぱり賃貸は造りがイマイチだね。早くマンションを買おう」


などと、入居者さんに早期の退去を促してしまいやすい、賃貸住宅市場全体にとっても残念なお部屋です。


何か手を打つ方法はないものでしょうか。


ひとつの答えとして挙げられるのが、窓です。ほかは手をつけられなくとも、窓だけは断熱性能の高いものにしっかりと替えておくのです。窓は、住宅の熱環境に大変大きな影響をおよぼします。


建材メーカーや関連団体などの計算によると、夏に住宅内に侵入する熱の70~75%程度が窓を通過するといわれています。また、冬に住宅内から外に逃げ出す熱の50~60%程度が、やはり窓を通るとされています。


つまり、窓をおさえることで、住宅内の熱環境は、ほかのさまざまな手を尽くすよりも格段に大きく改善されます。


その点、古い賃貸住宅の窓といえば、大抵は熱を大量に通しやすい1枚ガラスのアルミサッシがはめ込まれています。


これを「複層ガラス&樹脂サッシ」といった、断熱性能の高いものに換えてやるのです。夏の冷房、冬の暖房、どちらの効率も高まることが期待できます。同時に、カビの発生を招く結露の防止も望めます。


なお、性能のよい窓に換えたのならば、入居希望者へのアピールもぜひ忘れずにおきたいところです。


なぜなら、断熱性能に優れた窓を賃貸住宅に導入することは、入居者さんに対するオーナーの最高の思いやりのひとつといえるくらい重要なことなのですが、当の入居希望者さんの多くは、なかなかそのことに気づいてくれません。


中には、「この部屋の窓、何だかいまの部屋のものよりも重くて開け閉めしにくいな」などと、せっかくの複層ガラスに誤解を抱いたまま帰ってしまわれる入居希望者さんもいます。


となれば、こちらから積極的にお知らせするまでです。


「この窓は、複層ガラスを用いた樹脂サッシ窓です。断熱性能が高いため、冬暖かく、夏は冷房効率が上がります」


お部屋には、ぜひしっかりと、そんな内容の目立つ「POP」を置いて、内見に来られる皆さんを万全の態勢でお迎えしてください。


(文/朝倉継道 参照元/SUVACO株式会社プレスリリース 画像/123RF)



  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

編集部

住まいや賃貸経営に関するニュースを独自の切り口で配信します。

ページのトップへ

ウチコミ!

テスト環境
Code Profiler